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本作りの精神

 田中栞先生の「本を作る」8回目の話です。
 最近珍しい作りの本が二つ出版されていて、その作り方、綴じ方の名称? に拘られております。本は、
  1、岸田将幸『〈孤絶 - 角〉』(思潮社、平成二一年)
  2、林望『謹訳源氏物語一』(祥伝社、平成二二年)
です。これらの本はとても奇抜な装幀となっていて、
  1、本文用紙を糸かがりして、折丁の背に接着剤をつけて固めてから、二ミリほどの厚み
    がある灰色の板ボールを表紙として取りつけただけのもの。背貼りは一切なく、透明
    のプラスチック・ジャケットを通して、剥き出しの背を見ることができる。
  2、本文は糸かがりで、背が剥き出しになっている。ただ、表紙は硬い板ボールではなく、
    並製本の表紙のように柔らかい用紙を使っているので、しなやかに曲がる。ちなみに
    こちらは書籍本体の外側に紙製のジャケットと帯がかかっているため、書店の店頭な
    どで外装を一見しただけでは、本の背が剥き出しの造本になっていることはわからない。
ということです。これについては『謹訳源氏物語一』の方に、著者のコメントが添えられ、
    本書は「コデックス装」という新しい造本法を採用しました。背表紙のある通常の
    製本形態とはことなり、どのページもきれいに開いて読みやすく、平安朝から中性
    にかけて日本の貴族の写本に用いられた「綴葉装(てつようそう)」という古式床
   (こしきゆか)しい装訂法を彷彿(ほうふつ)とさせる糸綴(いとと)じの製本です。
とあるそうです。
 わたくしなどには凄く斬新に映ったその「本作り」は「綴葉装」という、とても古風な方法であったことになり、なるほどな〜温故知新か・・・といったんは感心しましたが、田中先生はここで簡単に納得はされず、執拗に拘り、短期間に精力的な取材行動に打って出て、本来は「西洋古典籍の写本の形状の一つで、ペラものの文書類や巻物などに対して、糸を使った中綴じの折丁を基本として冊子状に仕立てたものを指す」意味の「コデックス(Codex)」とは「違う」のではないか? として、ついにはまったく新しい名称であるところの、

   「背出し装」

を考え出されました。
   「背の部分が剥き出しで、綴じ糸が見える」ということでは「綴葉装」もこの「背出し装」
   の一種ということになる
ともございます。この「背出し装」のネーミングの意味はとても重要なことかと思います。まさに「本作り」にすべてを捧げ情熱を迸らせる生き様が、この「本を作る」8回目の原稿の送受信の2〜3日間に露呈されました。

 わたくしが最初に原稿を頂いたのが27日の15時頃。翌日の夜に開いて読み、どんなものになるかと簡単に組んでみたのですが、なにしろ写真が12枚も入るというボリュームで、これはどうやっても納まらないな〜と悩んでいた時に「改稿版」が届いたのであります。このあたりの背景は先生のオフィシャルブログにも書かれていらっしゃるのでご覧ください。
 いったいどこを改稿されたのかを調べてみると、この「背出し装」の名称を引き出すために28日の午後から走り回られ「製本工房リーブルの岡野暢夫氏にも意見を聞」いたとあります。はっきり言いまして今回の原稿は通常より一週間ほど遅い入稿でした。それほど拘られて書きあぐね、調べていらした学術的に見ても「非常に重たい記事」となるようです。先生のブログには『冬雷』の大山敏夫編集長(月刊短歌誌)の記載がしばしば登場致します。わが冬雷は、豆本を主とする先生のサークルの方々にも、手作りを主とする製本家のサークルの方々にも、とても注目されるところとなっております。

 今回はややフライングの感がございますが、先生の8回目の記事を取上げながら、すこし興奮気味に書いております。本はやはり「作り方(装幀)」をぬきには考えれないでありましょう。中身を相応に引き立たせられる「本作り」は当り前ですが必要であります。
 みなさまも、どうぞここに取上げられております二つの本を書店でご覧のときは、手に取ってじっくりと造本の妙をご体験下さい・・・

 じゃ、このあたりで。そうそう、8回目は3頁に納まらないとみて4頁組みと致しました。こちらもお楽しみに・・・先生には「おしゃべりすぎた事」をお詫び致します。
  
  
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by t-ooyama | 2010-04-29 20:05 | Comments(0)

お酒のお誘い

深夜便です。

最近のわたくしはいままでの室内業務と少し変わり、外に出ることが多くなりました。
そうすると自ずから「人」に多く会うことになります。
そうすると自ずから「人と話をする機会」も多くなります。
すべてが新しい体験となり、刺激的であります。
知らなかったことがこんなにもあったのか・・・という気分です。
日々是勉強・・・という気分です。
昼間など外を歩いていると、さながら植物が盛んに光合成をしている気分を味わいます。
太陽光による「充電感覚」も味わいます。
何か元気が出てくる気分です。
こういう不思議な感覚を短歌化して、今度の「短歌」「短歌往来」に出しました。
6月号をご覧ください。
外に出ると私用とか業務とかを超えて、
自分を肥らす何かが・・・確かに感じられます。

月曜日はお酒のお誘いを受けました。
依田仁美とおっしゃる豪快な歌人のお誘いです。
「短歌人」所属のこの豪傑は、自分でも雑誌を編集されていて、
しかも、もの凄く面白いサイトも運営しています。
お酒も強そうなので・・・少し心配ですが、
まあ、こういうお誘いも最近なかったので、
楽しみにしています。

こんな日常を送っていますので、
ご安心ください。
元気です。
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by t-ooyama | 2010-04-26 00:25 | Comments(1)

写真

写真が嫌いでほとんど自分の写っているものは凝視しないと以前書きました。
いままでもいろいろ頂いたりしておりますが、まあ、さっと観るだけであとは机の中です。
整理をしていない十年ほどの写真がごちゃごちゃに入っています。冬雷中心のもので、プライベートなものは数枚です。
ですから、今後もわたくしの写った写真等はわざわざお届けくださる必要はございません。お手数をお掛けするのが申し訳ないので、ここで申し上げておきます。

実は昨晩遅い時間に「サイゼリヤ」に行ってビールを飲み、大好きな青豆の温サラダを食べながら、短歌現代に写っているという自分の写真を観ました。作業服(現場での姿)の自分を何かのかたちで残しておきたいと思い、撮ってもらった最近のものです。出版印刷の書籍の本文を印刷しているところです。実際にはこういう最前線での作業はここ数年やっておりません。
写真は自分で加工してデータを送ったものなので何が写っているかは分っていましたが、かなりリアルに再現されていて、自分の加工技術がよかったのか、写真印刷の腕がよかったのか、まあ、不満はありませんでした。

写真を観ながら、写真というのは、つくづく客観者だと思いました。機器なので感情というものがなくて「そっくりそのまま」写し取ります。このリアルさには、短歌でいかにリアリズムを貫いても適わないなと思います。絵で観るリアルと文字や言葉で表現するリアルには違いがあるので、気にすることもないのかな・・・

  客観視するにはこれに優るものあらざらむ写真の俺を観てゐる

という気持になりました。
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by t-ooyama | 2010-04-25 10:08 | Comments(0)

お知らせ

皆さま。
五月号の刊行が遅れていて申し訳ありません。
このところ生業の方がボリュームアップしていて、まあトシのせいもありますが、業余の仕事の余裕が減退して、結果的に次第に冬雷編集とデータ制作に影響が出ております。
体験された方はお解りでしょうが、編集作業と言っても、選歌(添削希望者には応ずるのも含めて)はかなり頭と体を使う作業で、これを先ず通過せねばなりません。さらに、この作業と組版(印刷用データ制作作業)とが、ほぼ同時に進行する数日があってほとんど目一杯となります。
日ごろから、大山宛の添削希望について(返信をお急ぎの方は)できるだけ、他の選者にお願いしますというアナウンスをしています。今何人かの方から添削希望を頂いていますが、その点皆さま、ものわかりが良く、わたくしのワガママをきいていただいております。有難うございます。添削作業に時間を費やすと組版作業に影響が出るという悪い仕組になっております。すみません。
という事だけでもないのですが、印刷所や製本スケジュールの都合もあって、刊行が遅れているのでしょう。印刷用データは先週の木曜日に渡してあるので・・・

先週は同じ日に事務局・広報と三人で「短歌研究」編集部を尋ねてお願いしている広告の内容刷新について打合せて参りました。こう申してはいけないのですが、いわゆる形だけの「広告」にいくら投資しても効果的な宣伝にならないので、冬雷としては、きちんとリターンを期待できる方法を考えました。その打合せです。
簡単に言うと、こちらでデータを制作し月々広告内容を「更新」する、という提案です。大枠としての冬雷広告デザインを残し、その中央に月々の冬雷からの抜粋記事を転載する、という形となります。作品欄の大型化実現が売りですから、その原寸大活字を表示させます。いまのところ、作品批評欄からの部分抜粋を予定し、出来るだけ評者も取上げられた作者も「かぶらない」配慮をしつつ、しかも読物として面白い構成をめざします。この6月号から反映されますので、どうぞ皆さま、「短歌研究」を書店などでご覧頂きお確かめ下さい。ひょっとするとあなたの作品が取上げられているかもしれませんよ・・・
この試みは、今後歌壇でも「広告掲載」の在り方、活用法についての貴重な前例となるに違いありません。費用を出して雑誌のスペースを買うのが「広告欄」ですから、そのスペースにはもっと工夫する余地がどの結社にもあると考えます。冬雷はその魁となるでしょうね。ご期待下さい。

話を転じて、さきほど五月号「WEB配信用データ」を制作し、HPへのアップ依頼をだしたところです。実はデータと言っても「印刷用」と「WEB配信用」は微妙に違います。更に細かく述べると、校正作業用には「見開きでフルトンボ出し」で制作し、印刷所に渡すときは「トンボ無しの単ページ」で作ります。そしてWEB配信用には「表紙と目次、編集後記と奥付・そして本文」をすべてひとつに纏めた後に「見開きのトンボ無し」のデータとなっております。この作業も面倒ですが、きちんとしないと見やすいものとはなりません。パソコンで観る時にできるだけ「雑誌の誌面」という雰囲気が出るようにしたい、という考えです。どうぞお楽しみに。

では、先ずはお知らせと致します。
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by t-ooyama | 2010-04-24 12:21 | Comments(0)

がん・・・

もう大昔のことなのかもね・・・
なんとなくテレビを見ていたら突然
  きみはガンなのだから・・・
って言う声が流れてびっくりしたことがあったけ・・・
結局は水に浮かんでいる「雁」に対して言っている声だっていう「落ち」のあるCMだった。
でも「な~んだ」とほっとする反面、実に悲しくなってのを思い出す・・・
何のCMだったか忘れたが、あの「きみはガンなのだから・・・」のフレーズは忘れられない。
悲しくて、後味が悪くて・・・・でもそのCMは、あっという間にテレビから消えた。まあ、当たり前だが・・・

鳥の話じゃなくて、本当にいま、
  きみはガンなのだから・・・
と宣告されたらどんな気持だろうか? どんなにうろたえるだろうか?
そう思いながら、わたくしは電話の声を聴いていた。
もうかなり前に、そうだ小林芳枝さんから似たような電話を受けたことがあったな・・・
いま、電話線で繋がっている相手の声も明らかに泣いている・・・
よかった、電話が繋がって、よかった。トシちゃん、よかった・・・
そう言ってじわじわと、ぐしゃぐしゃの涙声となっていった。

ずっと働きっぱなしでさ~この間まで普通に仕事に行ってたのにね・・・
何でもないようで元気だったんだよ・・・
かわいそうでさ、ねトシちゃん、ごめんね、話す人が居なくてね・・・
「なんでも、いつでもOKだよ・・・俺は・・・」
話しちゃ駄目だって言っているんだけど、いや私は話すよって○○さんに言って、電話したのよ・・・
そうだよ、もうすぐ70だってのに・・・ずっと働いてきて・・・こんな病気になったなんて・・・ねえ。
聴いてくれるだけでいいのよ・・・もうすっかり痩せちゃってさ、何も食べないし・・・病院で貰った栄養ドリンクを少し飲むだけなんだよ・・・どうしたらいいのか。誰にも会わないって言ってるし。。。

「そうだね、たぶん俺もそうなると思うよ。当たり前だよ、でもさ・・・結構多いんだよね・・・
タバコをばくばく吸ってたしね・・・でも即刻どうこうっていう話じゃないよ・・・まあ、年も年だしね・・・
若い人ははやいんだけれどさ・・・ん・・・割り切って折り合っていくってことでいいんじゃない・・・」
と答えながらも、わたくしの目からも涙がこぼれた。

月曜日に予定されていた入院が、どうも水曜日あたりに伸びたらしいということが理解できた。
ベッド待ちの状況なのであろう・・・
まだ何日かは自宅で寝てでも居るのだろうか。

「しばらくご無沙汰しているからさ、明日にでも会いに行くよね・・・
いま、やらないとたくさんの方に迷惑を掛ける仕事もあるので、片付けたらね・・・必ず・・・」
ということで電話を終えた。

ことしの気象は異常で四月後半だというのにまだコートを離せないのだ。
体を悪くする人もきっと多いんだろうな。
もっとも、電話の声の話は、かなり前兆のようなものがあったに違いない。
頑張りすぎちゃったんだよね・・・結局は。
でもさ、それがあなたのいいところなんだよね。俺が尊敬し、ずっと頼りにしてきて、何かと助けてくれた・・・
俺にとってかけがえのないたった一人となった、あなたのね・・・

じゃ、すぐ会いに行くからね・・・
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by t-ooyama | 2010-04-23 21:38 | Comments(0)

さぼり・・・

今日も製本教室でありましたが「さぼり」ました。
学ぶ回数を重ねるに連れて難しさも増して来る感じと、何より困るのはいわゆる「宿題」としての作業が命ぜられることです。週一回行って二時間半程度学んで来る事だけでも大変なスケジュール管理を要するのに、その上に「宿題」作業が義務づけられるようなカリキュラムなので、ほとほと難儀しております。通常勤務を人並みに果たすと、それなりに疲れて、たまにビールなどを頂戴したりするともはや体が意のままにならずこんにゃく状になって寝てしまします。

気合いを入れて冬雷の選歌とか、これまたタマに作歌などもしなければならないので、比較的体調の良い日はそういう作業に当ててしまいます。で、製本の宿題までには手が回りません。今週も予定していた宿題に手をつけられないうちに一週間が過ぎてしまい、結局「さぼり」に至りました。
先週の教室で、今作っている丸背の上製本の表紙に埋め込む「タイトル」用紙を「カラーでの印刷をして来て下さい」と言われ、どういう意味が分らず尋ねたら「色付きの紙などを使ってコピーする」ことでした。じゃ、いっそスキャンしてデータで組み上げ、インクジェットのカラープリンターで出してみようと考えていたのですが、その作業をする時間がありませんでした。

今日も一緒に働いている「Y」さんに「なんだかすぐに一週間が過ぎちゃうね、これじゃアッという間に死んじゃうって感じだよ」って話しかけたら「うーん、そうですね〜」と反応ありでした。
さぼったおかげ? で少し時間ができてつい一杯飲んでしまい、はっと気がついたら午前一時。しまった、と言うか「まあ、いいか」という気分で起き上がりシャワーを浴びて本日のメール他をチェックし、これを書いてます。ただいま午前二時十八分です。こんな生活をしていたら、誰だって一緒に住みたくないでしょうね。ここ「短歌工房」での独居老人生活だからいいんだな〜としみじみ思っている所です。

せっかくさぼったのだから、その分他の業務に成果を出さねばなりません。
明日から(実は今日だけど・・・)頑張るぞ。
いろいろ妄想している事も多いので、その一割程度は業務のなかで活かせるかもしれません。
目覚めているときは、まだまだ「しゃん」としているわたくしですから・・・
みなさまは、こういう駄目人間生活をしないでくださいね。
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by t-ooyama | 2010-04-23 02:29 | Comments(0)

娘からのメール

  お父さんのブログ、けっこうおもしろいじゃん。さすがは・・・だねえ。

というひらがなだらけでこんにゃくみたいにやっこい娘からのメールです。ちょっと読みにくいでしょう。わざとひらがなだらけにして書き込んでいます。けっこうおもしろいってのは、褒めてくれたのかもしれませんが、余り喜べません。勉強になったとか、為になった、と言われるようなものを書こうと思っているからです。
トライ短歌 ってのがあるから、きみも何か書き込まないかい、閑古鳥が鳴いてるし、びしびし教えてあげるからって返信しました。
  「わたくしは・・・ってさあ、叶姉妹みたいだね~」って返事が来たので、
  「そんなの知るか~~」って書き送りました。
レベルの低い娘で恥ずかしいことです。
娘が親しくしている「黄金の腕(たぶん・・・)」という歌手が居て、
娘は夫婦喧嘩をすると、そのボーカルの○○さんの家に泊まるようです。
何度か聴きましたが、声が澄んでいて飛び跳ねながら歌うすがたには勇気を貰えます。
「黄金の腕」って、いい歌を歌いますよ。みなさまもぜひ応援お願いいたします。

わたくしのこのブログは「短歌工房通信」ですが、あまり短歌の話がないようです。
わたくしは短歌は好きですが、短歌を勉強する「歌会」というのが苦手です。できるだけ必要外の集会には出ないようにしております。大して面白くもない作品を、褒めちぎっていたり、仲間の作品しか「何とか賞」に推薦しない選者もたくさんおります。
じゃ、くさせば、厳しくて本音の出たレベルの高い話かと言うと、そうでもありません。
くさすにも「誠意」を感じない、ただくさすことを目的とした批評というのも少なくありません。
結局、話の裏には「人間がいる」ので、批評の背景にもドラマがあるってことでしょうかね。

黄金の腕の歌でも、どなたかの短歌でも、それを聴いて、それを読んで、わたくしの中に、「生きる勇気」のようなものが湧いてくるものを愛します。前向きに、明日を信じて、たくさんの人々と喜びを分かち合いながら、明るく楽しく、生きて行きたいものです。

わたくしの歌を読んでくださった方が、そういう気分に高まっていくような「短歌」を作りたいものです・・・
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by t-ooyama | 2010-04-14 18:58 | Comments(0)

製本の話のつづき

今日も製本の話です。
製本工場などに設置された高速一貫ラインというような機械では、あっという間に万という数の本が出来ます。
上製の製本にしてもたいていの作業を機械がこなしてしまい、人は機械の周辺で機械の機嫌を取りながらお手伝いしているっていう感じです。ハードカバーのクロス包みの厚表紙が、寸分たがわぬ正確さを秘めてガッチャンガッチャンと貼り付けられて、流れていくさまは感動ものです。
でも、一冊の本を2ヶ月程度掛けて手作りする体験をしていると、あんなに簡単に作られちゃ少し困ります。もっと苦労して情熱を籠めて作れって叫びたくもなります。もともとは手作業で作っていた本が、大量生産されることになり手じゃ間に合わないので機械化したわけです。人間の手足の代りを機械がするだけで、行っていることはほぼ同じです。でも、全く同じじゃない、手作りには機械のできない「何か」を注入しなくてはなりません。
つまり、制作者の魂というか、人間性が出てくるのが手作り製本だと思います。

女性が作る本はやはり女性的です。細かいところに気を配らないアバウトな人の作品は随所に「そこそこ感」がただようものです。わたくしが作る本には、どこかにわたくしという一人間が存在する気がします。手作りにはやはり血の通う温かみがあるようですよ。

実は先週、機械とはいえ限りなく人間臭のする面白いマシン群を見学してまいりました。製本機械メーカーでは大手の「ホリゾン」社製の製本機械です。なかには道具って呼ぶ方がふさわしい親近感をもつ可愛いものもありました。それは流れ作業というものを排除した、人間の手が一つずつ投入したりつまみあげたりして、折ったり綴じたり貼り付けたり切ったりするアイディアに満ちた機械でした。しかし、出来上がったものは一貫ラインでつくられたそれと遜色のない見事さで、つくづく「へ~面白いね~」と見入りました。
小さなハンドルで締め付けて「イチョウ掛け」をしてしまう機械(道具)。丁合した一冊分を一方から投入すると、その「束」の寸法を瞬時に読み取った機械が、本文を包む表紙用紙に「束」サイズの切れ込みをシャープに入れて、きっちりと包んで貼り込んじゃうという頭の良さ。指示さえすれば、折丁にミーリングも入れてくれる、至れり尽くせりさ。ああ、なんていい奴だという気分になります。
何というか、友達になれそうな機械でしたよ。

手作り製本と言っても道具は使います。
ホリゾン社製の人間的製本機は、或る意味道具のような親密感がもてました。
ああいう機械とは仲良くできるかもしれないっていう気分でした。

どんな機械も人間を模倣して生まれてきたはずなのに、余り大きくなりすぎたり、賢くなりすぎて、人間を寄せ付けなくなってしまうものも多くあると思います。
人間と機械はもっともっと「仲良く」したいものと考え、ほのぼのと・・・なりました。
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by t-ooyama | 2010-04-12 22:42 | Comments(0)

丸背

久し振りに製本教室に行きました。
細い絹糸でのかがりにつまづいて、何度トライしても糸がこんがらかってしまい先に進まぬ状況になったので、ひとまずスルーさせて頂き「先の工程」にジャンプすることになりました。
今回やりましたのは上製本の「丸背」の制作です。
特製の金槌(叩く面に丸みをだしてあり、頭も利き手の人差し指を絡められるように削られたもの)を使い、糸で綴じられた背の部分を根気づよく叩きながら4分の1円状に作り上げて行くのであります。
では段取りを記します。
1. 糸で縫い綴じた背部分に平にボンドを塗り、そのボンドを和篦で平にこすりつけ折丁の間を潰
  して行きます。言葉で言うのは簡単ですが、実際は左手で綴じられた本文が動かぬ様にがっち
  り押さえ付けながら、右手でこれまた目一杯の力を平に集めてボンドを塗り込んで行くので終
  ると両手が筋肉痛になるくらいの激しさです。目安として「束」の寸法に「束+束の25%」の
  厚みになるようボンドで塗りながら広げて行くのです。この寸法は大切で丸背を作る時の形の
  良い耳出しに繋がります。
2. 上の状態になってから金槌で根気強く叩き丸味をだしていきます。まず、ざっと丸味をだす。
3. 次に「耳」を出す約2mm分を平に出すように一種の万力のような道具にがっちり銜えます。
4. それからが大変です。背の中心か表裏の両側に根気よく叩いて滑らかな丸みを作ります。
  腕を横振りして、金槌の面をこするように叩くのです。強からず弱からず。横振りの練習を
  してくださいと言われ、何分かは素振りしました。

この作業だけは「凄いですね、上手ですね。大山さんはかなりうまいと思います」って先生に褒められました。この先生はお世辞を言わない方なので、わたくしもその気になって気分が良くなってきました。まあ、○○もおだてりゃ木に登る、の口かもしれませんが・・・。日ごろのゴルフの練習の成果がこんなところであらわれたのかも・・・。何でも役にたつことがあるんだな〜。
  うわ〜綺麗ですね。よく出来ています。普通の方はここで三週間くらいかかるのですよ。
って先生に言われたところで時間となりました。
  大山さん、音がぜんぜんちがっていましたよ〜
というのは、同じく手作り製本を学んでいる仲間のおひとり。実は現在のメンバーではわたくしが一番の先輩で、この方は後輩なのですが、もうとうに追い越されているのです・・・。

ということで、嬉しい時間となりました。
たまにはこういうこともありませんと生きて行くのも辛くなりますものね。
みなさま、お世話になりました。
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by t-ooyama | 2010-04-09 21:02 | Comments(0)

春のねむさ

きょうはすっかり汗ばむほどの陽気でした。
すてきなグリーンでのプレーを設定下さったTさま、有難うございます。
最高の天候で申し分のない場所、実力通りの一日でした。
石川遼選手がここまで飛ばしたという「印」がフェアウエーのど真ん中に幾つもあり、わたくしなどは2打3打打って「やっとたどり着く」始末で「やっぱりな〜」って思いました。
最近「名球会ゴルフコンペ」も行われたようで、かつてのベースボールマンたちが、集結した凄い写真も掲示されておりました。
いいコースでした。
一緒に遊んで下さった皆さま、有難うございました。
どかっと全身疲労がきて、筋肉痛でつい「うとうと」でした。

帰宅後すこし眠り、冬雷五月号の組版作業をしました。
今月も進行が遅れ気味で、あせっています。
ただいま本文おおかた組み上げて初校を送信しました。

一息ついた所です。

アメリカの女子プロゴルフのメジャーのひとつに参戦中の横峯さくら選手は絶好調で、通算3アンダーの9位という位置で予選通過した模様です。
ここいらで優勝して世界に名を轟かせてほしいものです。
明日の早朝からの決勝ラウンドでの勇姿をTV観戦したいものです。
みなさまも、ぜひ応援をしてください。

でも、春ってやはり「眠い」ですね。
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by t-ooyama | 2010-04-03 21:05 | Comments(0)