ユリノキ

桜井さんが「WEB冬雷」に書かれているユリノキの話。

    五月末となれるに冷ゆるくもり日の街路朝はやき百合の樹の花         往還集より

 文明は「百合の樹」としている。広辞苑は「百合樹」とあり、インターネットで調べると「ユリノキ」「百合の樹」「百合の木」「ユリの木」「ゆりの木」といろいろある。今回私は、「ゆりの木」と表記してみたがどうだったろうか。歌は提出してしまったが、またゆっくり考えてみようと思う。
    
                
について、ちょっと考えた。実はわたくしにも多くのユリノキの歌がある。この記述に関わるかも知れないので、それを振り返る。歌集『なほ走るべし』に納められた次の一連は、まさに、

文明は「百合の樹」としている。広辞苑は「百合樹」とあり、インターネットで調べると「ユリノキ」「百合の樹」「百合の木」「ユリの木」「ゆりの木」といろいろある。
  
の、いろいろある表記の仕方でユリノキをたくさん歌ったのである。 つぎの一連である。  
               
  ユリノキ
ゆりの木など何処にでもあると粂吉は言ひしかど未だその花を見ず
賜れる百合樹の絵葉書見て何で百合なのかますます吾は解らず
百合の花に似ると思はねど百合の木の名を頂きて巨木にもなる
先までゆりのきと信じゐし花がエンジェルトランペットと知りぬ
木の下に長ベンチ置く記憶のみありて花を見ず上野のユリノキ
この花の木陰に本を読んでゐる吾を想像するのは難し
チューリップノキ、 ハンテンボクの名も持つらし上野博物館前のユリノキ
落葉樹ユリの木にしてもみぢ葉は如何なものか風評聞かず
学名を知らねどユリの木チューリップの木の名を持てば吾に異性の如し


ここには「ゆりの木」「百合樹」「百合の木」「ゆりのき」「ユリノキ」「ユリの木」六種の書き方を試みている。桜井さんがお調べになった「広辞苑」の「百合の樹」は使い損ねたが、文明の「百合樹」は二首目に使った。桜井さんが最新作にお使いになった「ゆりの木」も使っている。わたくしの一連には「ユリノキ」と「ユリの木」が二つあるので、どちらかに「百合の樹」を使っておけば良かったなあと今は思う。いろいろな表記があることを認識した上で、それらをいろいろ使ってみようと考えた表現上の遊びである。

このときは実際にその花を見ていないのであるが、今は発行所の近くに見事な木があることを知って、その花を冬雷の校正担当女流らと眺めた。その結果、小林さんも桜井さんも森藤さんも、この花の歌を七月号用に作られて競詠の形となっている。実はわたくしも久々の「ユリノキ」の一連を出す予定である。想像で歌った花と、現実に見た花の歌の違いは微妙である。桜井さんの書き込みによって、あらためてこの古い作品を見直したが、やはり少し違った歌になっているのが分かった。一言でいえば、今回は写実が基本になっているようである。当然七月号に出るわたくしの歌の方が、『なほ走るべし』所収の歌より上等だと信じるが、一首だけ最後の作品が、かなり似通った抒情となっている。やはり「花」は皆「をみな」ですよねって感じである。
さて、七月号は、四人四様となるが、みなさん「楽しそう」という点が一致する。

掲載後に読後感など頂戴出来ますれば幸いである。
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by t-ooyama | 2016-05-28 23:10 | Comments(0)

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