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創展で「槻川緑韻」を観ました

今日は午後から上野に行き、創展を観ました。
嶋田さんの「槻川緑韻」を観る為です。
先にご案内をここに記しましたが、短歌作品が絵になっているということでした。

  川の瀬の音描かむと梅雨さなか百三十号の画布に真対ふ

故里の槻川の瀬音を描いたという絵です。下の作品でした。

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同じ槻川を描いた春の作品とはちょっと雰囲気が違っていました。
梅雨の最中だったというので、澄み透っていたという水ながら、晴れの日とは異なるのかもしれません。
そういうところを描くの写実だとも言えます。
わたくしは、春に観た美しい緑色に澄み渡る清流が、なぜここではうすぼんやりとかげっているのだろうかと最初は戸惑いましたが、それはたぶん見る側に自分の心に問題があるのかもしれないとも思い至りました。嶋田さん、すみません。
そして、
離れた所から眺めながら、次第に近づいて行くと「あっと」気がつきました。
この絵は、観る者が近づいて行くと次第に川水が済んで行って、あたかも近くから川底を覗くような「ああこんな綺麗に底の石まで見えるよなあ」って思う仕掛けがありました。なるほど、と感服しました。リアリティーですね。

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これが近づいて観た槻川の川底です。みごとに澄んでいます。

  透けて見ゆる川底の岩見つめつつ永久に清くと願ひ新たに

こう嶋田さんは願ったとあります。故里は汚れて欲しくない、いつまでも、永久に清く美しくあって欲しいですね。
その気持が良く理解出来ました。
この絵から聞こえて来る「音」はどんなものであったのか。
たぶん、濁音じゃなくて、清音のせせらぎ、だと思います。
耳をすませて、わたくしもその音を聴きました。

下は、左時枝さんの「私の名はパンジー」です。
今回はすこし鎮まった色合いに見えました。

創展で「槻川緑韻」を観ました_c0216213_19590019.jpg
会場にいらした増澤幸子さんとご挨拶。
すこしお痩せになられたようでしたが、お元気にお帰りになりました。

おいとましようとした時に嶋田さんとぼったり。
すこし雑談しました。





by t-ooyama | 2017-10-04 20:07 | Comments(0)

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