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岡井隆先生を悼む   再び

手元にある岡井先生の著書を並べてみた。
前にも書いたが、幾度も幾度も転居を繰り返し、その都度運んだりしてきたものの、行く先々に置いてきたものなどもあり、これだけしか揃わなかった。下にその写真を貼り付ける。
岡井隆歌集、戦後アララギ、現代短歌入門の三冊は書店で購入したもので、他は先生よりいただいた。
第二歌集『土地よ痛みを負え』から『朝狩』『眼底紀行』までには、作品一首と署名が入っている。これらは、このブログにも既にアップしてあるかと思う。見事な筆致のことも述べた。
以後の『神の仕事場』『ウランと白鳥』『宮殿』『大洪水の前の晴天』には、いずれも見返しに、男性的などっしりした署名が入る。
それぞれ、わたし自身にも背景を思い出す本ばかりで、懐かしく尊い。
今ざっと開いて読み直すと、やはり土屋文明ではなく茂吉の臭気ぷんぷんのところがある。
わたしもだいぶ齢を重ね、歌を客観視できるようになってきているのか、例えば『神の仕事場』など、妙に身にしみて身体で理解できるようなところも多くあった。
他にも書店で購入した最近の歌集などもあったが、どうしたことが見つからなかった。
評論集『戦後アララギ』からは、先人の足跡を学んだ。
入門書にしては難しすぎると感じた『現代短歌入門』は事情があって時期を隔てて二冊購入しているかと思う。
『斎藤茂吉と中野重治』からは、『歌のわかれ』について、 
 小説「歌のわかれ」は、〈歌との再会〉のための橋ではなかったのか、従来、よまれてきたのと反対方向のベクトルを、この青春小説のうちに読みとるべきではないのか。それでなければ、その翌年から、昭和十六年末まで、約一年半の間『斎藤茂吉ノオト』が書かれた理由は理解し難いのではないか。
とある部分に引いたわたし自身の棒線が目に入った。
吉本隆明との論争も思い出す。

あらためて岡井隆先生のご冥福をお祈りしたい。

部屋に突っ立つ時一対の火の鳥を腹中ふかく羽ばたかせおり  『土地よ痛みを負え』より


岡井隆先生を悼む   再び_c0216213_06555927.jpg


by t-ooyama | 2020-07-22 07:35 | Comments(0)

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