人気ブログランキング | 話題のタグを見る

「青南」終刊のこと

本日12月28日、青南 の新年号届いた。
そこで過日頂戴した」葉書の文面を確認したら、終刊の時期が令和六年十二月となっており、私のうっかり読み違いであった。
驚きのあまり、早ガッテンしたらしい。
ここにお詫びして、謹んで訂正したい。

青南 1月号は、新表紙絵「帆船」(原田 文)を配置して、明るく爽やかな航行のイメージである。
題字は土屋文明。本文44ページ。

巻頭作品は今福和子氏。
青白き砥部焼の湯呑み手につつみ今朝は遥けき人を偲びぬ
二人して撰りし湯呑みと言ひましき声のみにして逢ふ日なかりき

亡くなった方を偲ぶ追悼歌であろう。
次いで堀江厚一氏。
青南を閉ぢよ閉ぢよと責められき平塚を訪ふその月々に
年寄の愚痴ばかり聞く青南もぢやあねと背を向けるわけにも行かず

終刊を決意するまでの様々な葛藤も伺える心に沁みる歌である。

*以下の文を少し訂正させて頂く。(12月28日
アララギ終刊以後三つに別れたアララギ主流の一つ、「青南」が令和六年12月号で終刊となるのだと言う。
驚きである。清水房雄先生存命中は、月々作品の他に毎月別枠大作を発表されて、すごいなあと思い毎月楽しみにしていた。亡くなって以来何年だろうか。
何かだんだん勢いがなくなり、雑誌も薄くなり、発行所が変わることもあったりで心配していたが、まさか終刊とは。
三つのうちのもう一つ、小暮政次氏を中心としていた「短歌21世紀」のことはごぞんじの通りで、半年間の休刊ののちに復刊し、今は隔月刊の雑誌となり、
熊本の松本東亜氏が編集されている。短歌研究社の年鑑には会員数131名となっている。
復刊後は順調に号を重ねている。
こうなると、アララギの伝統の意味でも、頑張ってほしいものである。
もっとも安定しているのは「新アララギ」である。
毎月本文100ページの雑誌をきちんと発行し続けている。
それだけに「青南」の終刊だという報せは残念である。

この六月には「丹青」というところも終刊になった。
毎号パワフルな書き手が多いと思っていたが、この終刊にも驚いた。
原因は一体何なんだろうか。
資金のやりくり。雑誌作りを担当する人が居ない。
主にこの二点だろうと考えられる。
やはり高齢化による勢いの衰えがあろう。

仮に雑誌が一つ終刊になって消えても、すぐに名を変えて、人数を減らして創刊するケースがとても多い。
だから結社誌数だけを数えると、その数が減ったという感じはしない。
しかし、ざっと見て行くと、会員数100名以下のところがとても目立つ気がする。
規模が小さくなっているのかと思う。だから、創刊されてもいつまで継続するかは心配である。
正直言って、100名以下の会員数では、その会費を全て当ててもまともな運営は無理であり、一部会員の多額の寄付を頼るのであろうか。
短歌雑誌の運営がどんどん難しくなって行く。
来年には郵送料の大幅な値上げがあると発表された。
封書が110円だという。すごい値上げ幅である。
ゆうメールの方は、どれくらい上がるのだろうか。
こういう値上げは、じわじわと短歌雑誌運営へも響いてくるだろう。
来年も、終刊廃刊がたくさん出てくる気がする。
小誌刊行も、かなり頑張らないと、イケナイ。

終刊の予定とは言え、予定だから変更もある。
青南が、その後方針変更で継続ということもないわけではない。
そういう変更ならどんどんあって良いかと考える。

by t-ooyama | 2023-12-19 00:16 | Comments(0)

<< 村上美江歌集「さみどり」出来 新設備完了 >>