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訃報です

長く欠詠状況にありました星敬子様がこの六月一日に永眠されました。本日御家族様よりの連絡で知りました。
昨年末に悪性癌が発見されて、ほぼ半年間、病と闘った星様御家族様の辛さは察するにあまりあるものです。わたしの兄も、病発見より半年で亡くなりましたが肺癌でした。
星様からは今年年賀状を頂いていたので、年明けからの欠詠がどうもヘンな悪いものを感じていました。お伺いのお便りを出したものの、その返信がないのでそのままにしておりました。たぶんじっと胸におさめての黙り込みを決められたのかと思います。
一月号に掲載された次の作品が最後となりました。
星様は歴史的仮名遣いでの出詠でした。

                   星 敬子

秋の陽を浴びて木立の色づきぬ木枯し吹きて冬はすぐそこ

秋の夜の高く輝く夜空には流れる雲と十三夜の月

目覚むれば一面の雪晩秋の巻機山に紅葉散りゆく

深みゆく秋の一日を和服来て年に一夜の出会ひ楽しむ


この歌の中にもありますが月例会にはいつも和服でした。そして、旅行を頻繁にされ、その時には決まって露天風呂にも入られるようで、たくさんの歌を残されています。そしてゴルフもされるようで、なかなかの活発さでした。そういう若さが病気の進め方を早めたのでしょうね。悲しい事です。


本日『冬雷二〇一七 作品年鑑 』の下版資料を郵便局より発送しました。本文400頁なので校了紙だけでも嵩み、ポストの口からは入りませんでした。その『作品年鑑』にしても、もしご病気が無ければ星様は必ず参加して下さったと思います。私たちの方よりお送りした資料を寂しい思いで御覧になられただろうと考えると、胸が痛みます。申しわけない事をしたのかもしれませんね。

星様は平成25年9月の入会です。約四年間の作品は約240首かと思います。数は多く作りませんが、欠詠をしない方でした。

ここに昨年一年間に作られた全作品をご紹介して、その世界を味わいつつ、お別れと致します。

星さん、四年間冬雷をもり立てて下さり有難うございました。

どうぞ安らかにお眠り下さい。     合掌



            星 敬子

和服着て今日は護国寺茶会の日伝統文化に人等たのしむ

秋ふかき水元公園に百合鴎かるがもら集ふ会議の如く

水辺には百合鴎の群かるがもの群の来りて列を作りぬ

昼下りの体操教室の帰り道三郷公園はけむりむくむく

秋晴れの河津バカテル公園に色とりどりのバラ咲き乱る

紅の山茶花の咲く時逝きし弟よ早や一年忌来ぬ

賜れる花梨一果を掌に香り楽しむ立冬の夜

久々の茶道会館は秋盛り錦あやなす芝庭囲み

寒風の中を自転車に漕ぎて来る体操教室は今日もにぎやか

庭の辺に鮮やかな黄の柚子の実が枝しならせて光り輝く

歳末の芦野温泉今年また我が母に似る人に出会ひぬ

春めく灯青菜をきざむ俎板にうつすらと聞く幸福の音

バスツアー円福寺では記念品小さな仏舎利一人一人に

龍正院山門くぐり仰ぎ見るかしの大木宿木を抱く

浅草寺内陣入れば黒々とコンクリートの床に漆を塗りぬ

龍正院観音の甍と芭蕉の句大きな夫婦松ノ木を見る

巡る日を待つてゐたのは節分草花芯の紫美しくして

春ちかく吹きすさぶ風の中に立つ吾は紫の春ショール巻く

春の日の庭を彩るクロッカス黄色鮮やかほつこりと咲く

教室の帰り寄りたる水元に枯木立の中に菜の花は咲く

春の雨しとどに降りて菜の花の黄に重なり流るる如し

春近く雨降る夜を沁み沁みと流れる時間に身を委ねゐる

春近く朝の光にブラウスを透かしてみれば季節移ろふ

草淡き畦道に立つ幼子はタンポポの花両手に握る

春霞やはらかき陽に目をやればかげろふの如く人歩み行く

逝く春の光の中に萌え出づる草の青さに心震はす

桜花舞ふ靖国神社参道のわきに人びと集ひて憩ふ

今年又我が庭にカラーの花が咲き手折りて父の墓前に捧ぐ

遊歩道は葉桜となり太陽の光を受けてみどりに戦ぐ

道の辺にどこから来たるかオレンジの芥子の花群咲き満ちてをり

如水館能舞台は仮設なれど一時のために総てを注ぐ

青葉濃き夏の陽ざしの満てる日に狂言見つつ涼しさのあり

ランチ後に放水路まで歩み行く満天星は可憐に咲きて

庭先の松葉牡丹に群れ舞ひし白き蝶達いとしく思ふ

咲き誇る水元の里あやめ田に青鷺一羽凛として立つ

在りし日の晶子が愛しし法師の湯今も静かに旅人いやす

青楓風にさゆらぐ法師の湯露天風呂にはヒメジョオン浮く

教会の立ち並ぶ町函館はロシア風の家あちこちにあり

ガイドさん帽子かぶらず炎天下の坂の町函館を案内して行く

国際色豊かな函館元町を色鮮やかなオープンカー走る

参道を歩み見おろす渚には波が静かに打ち寄せてくる

一人居の露天風呂より海をみるカモメ群れ飛び波が舞ひ来る

浴衣着て半額セールの船にのる夏の夜のシンフォニークルーズ

庭先のハイビスカスは七種あり我が世の春と優雅に開く

白色の南国の花ハイビスカス今が盛りと次々と咲く

大輪の花咲かせをるハイビスカス二代目なのにどうしたのかな

渓谷を流れる音に身をまかせ一人居る露天風呂は楽し

露天風呂は七ヶ所ありてそれぞれに趣ありて楽しかるらん

露天風呂は混浴なのにバスタオル身にまとひ女性の姿の多し

露天風呂の前は断崖つつじ咲き山あぢさゐが優しげに咲く

万座の湯又くるからと別れ告げ去り逝く夏の一日終りぬ

昨日までは黄金色せるこの稲田今日はみどりの筵に見ゆる

彼岸花咲く畦道に亡き母の幼き姿を見たる思ひす

秋の夜に松葉手編みのベスト着る義母の温もり肌に沁み入る

初冬の日老爺が操る棒の先たわわに実る銀杏の照る




やはり露天風呂の歌が多いですね。

万座の湯又くるからと別れ告げ去り逝く夏の一日終りぬ

この万座の湯には、ふたたび行く事が出来ませんでした。こうした瞬間瞬間の詠歎が切ないですね。

歳末の芦野温泉今年また我が母に似る人に出会ひぬ

彼岸花咲く畦道に亡き母の幼き姿を見たる思ひす
亡くなったお母様を思う歌。何か虫の知らせでしょうか。しきりに気にされていらしたようです。
紅の山茶花の咲く時逝きし弟よ早や一年忌来ぬ
弟様も亡くして幾許もない状況のようでした。生と死を考える事が多かったと思います。
春めく灯青菜をきざむ俎板にうつすらと聞く幸福の音
そういう中でのほっとする厨歌。
結句の「すっすらと聞く幸福の音」にはしみじみ響きくるものがあります。
良い歌ですね。

星様のご冥福をお祈りします。



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by t-ooyama | 2018-06-27 22:05 | Comments(0)

発送完了です

本日七月号の発送完了です。
皆様のお手元には月曜日辺りでしょうか。

夕方郵便受けより出して来たものは、
新アララギ 七月号
地中海   七月号
朱竹    七月号
の三冊です。
これらの雑誌の早さには遅れをとりました。
また、「短歌」七月号が着きました。
こちらには「醜網」という変な一連を出しました。
その一部を下に明かしますが、残りは雑誌の方で読んで下さい。
雨じとじとの土曜日でした。


食ひ込める太き醜網しこあみ引き剥がしハムのかたまりごろんと置きぬ

雁字搦めの戒め破る解放感好きですハムの塊を解く

われ以外誰もゐないがゆつたりと椅子に食事を待つやうな時

めまひして立てず這へずに転がりゐしあの時の闇ねばねばとせり



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by t-ooyama | 2018-06-23 19:52 | Comments(0)

萩原千也さん歌集

先月寄贈を受けた『萩原千也歌集六』には、昨年一杯までの作品が収められているので、これで現時点での完成を意味するかと思う。
完成。それは、作者自身が存命中、というか、生きて作歌の現役でもあり、しかも大結社の幹部でありつづけつつ居る中で、みずから手作りでプリント〜製本〜発送までするような全歌集、現実とリアルに結びつく全歌集というのは他に類を見ず、同時進行型個人全歌集だと云うのが凄い。
発想も凄いし、力技が、専門の箪笥制作を飛び出し、出版作業までに及ぶパワーが凄いのである。
たぶん萩原さんのことだから、選歌などはしない、発表された作品をすべて収める全歌集なのだと思う。故に、その「六」は、現時点で完成してしまったと言えるものなのである。「七」以降は、さすがの萩原さんでも二三年先の事だろう。

その「一」は、2015年末の刊行であった。以後二年余りで六冊刊行した事になる。かなり急いで突っ走った感がする。
とにかく作歌同時進行の全歌集刊行の意図なので、取り敢えず「現在」まで追いついておかねばならない、という気魄が急がせたのだと思う。
素直に敬意を表したい。

その「一」には、あの素晴らしい歌集『木目』が全収録されている。
巻頭には写真まで載っていて、萩原さんの「二十歳」の若々しいお姿も見られる。懐かしい。
この写真とほぼ変らない二十代の日々に於いて、わたしは萩原さんと何度も会い歌の話をした。
大河原さんや大橋さんと一緒に会った浅草橋の歌会。
増島洋祐さんの家で行った「日本青年」記事の為の座談会の場。
そして「ポポオ」で行動を共にしていた時期の入間川の歌会、深谷の萩原さんご自宅への訪問。
など、いろいろ思い出す。
「一」より『木目』時代の歌、
   鉋とぐ冷たき水を嘆きつつも今日も一日はたらき終へぬ(昭和四十年)
   あたらしき仕事にかかるは楽しくて持てる鉋をみな研ぎあげぬ  同
   塗装する友の手は見るにいたいたし木材を扱ふわが手より荒れて  同
   小説ではすぐ恋人が出来ると言ひ友は嘆きぬ鉋研ぎつつ   同
箪笥職としての労働の歌である。
「六」より、これは昨年の作品、
   便利屋の従弟が仕事をもたらせり枠とセットのトイレのドアー  
   手の荒れの皹にならぬまでに癒え新年に向け庭木整枝す
   ヘルメットを着け命綱も装備せり六尺は高所と意識を変へて
   価値のある木などはあらぬ庭ながら植ゑある順に整枝してゆく
今も力強く現役で庭師のような仕事もこなす。
   
以後大河原さんらは「短歌21世紀」を創刊された。
萩原さんはそこに参加せず「新アララギ」へ参加した。
わたしは、本格的に「冬雷」へ軸足を置いて、いまはその発行所を受けている。
それぞれの道という所。

この萩原さんの全歌集については、いつかどこかでちゃんと紹介せねばならぬ、と思いつつ、なかなか出来ない。
簡単に済ませられなくなるのが解るので、取りかかり難いのだ。
とにかく、わが分身のように感じるその作品世界の一部には、読みながら涙がでる。
そうだよねって、思ってしまう。
もっと冷静にならねば、紹介なんて書けないのである。

今その六冊を積み上げて眺めているが、さすがに手作りなので、微妙にそのサイズや表紙の紙の色、本文用紙の色等も違っている。
格好は良くないが、これこそ手作りって感じは出ていると思った。
その姿だけでも、ここにアップしておきたい。

萩原さん、本当に完成お目出度うございます。
これからは、本当の意味で新境地へ踏み込まれるわけで、ご健詠を祈念します。

だけど、わたしの作業現場は汚らしいね。
整理が下手で恥ずかしい。

追伸  驚いた事に、先ほど萩原さんから電話が入った。さすがにこの書き込みを入れた後の事なので何だろうってなったが、なぜ君は「敏男」から「敏夫」に変えたのか? という質問だった。別に特に何かじゃなくて「戸籍にある本名に戻しただけですよ」って答えた。
お元気そうで、声はとても明るかった。全歌集を作り終えたところで、今度は今まで自分の作品が色々受けて来た批評について、本に纏めているのだと言う。こういう話も恐ろしい事だ。その場の流れで思わず言ってしまった事を、50年も経ってから見直そうとする人も居るのだ。よほど気をつけて発言しないとね・・・
という「追伸」でした。

  


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by t-ooyama | 2018-06-22 11:37 | Comments(0)

大阪の地震お見舞い

かなりの大地震でした。
大阪の皆様、さぞや驚かれ、今も不安な生活をされていらっしゃることでしょう。お見舞い申し上げます。
小誌の仲間では、水谷さんがお住いで、あの日にお電話しましたら怪我も無かったとの事。ほっとひと安心でした。
水谷さんには、緊急の原稿をひとつお願いしていて、何でもその原稿を書く為に早起きしていたら、地震に襲われ、本棚の書籍類が嵐のように落ちて来たとの事でした。普段通りに休んでいたら、かなり危険だったとの事。
運がよかったという事ですね。
余震が続いていて先が解らないので、部屋の片付けはせず散乱状況の中での生活らしいです。
本当に、どうぞ御身第一に願います。

さて、そういう中で書いて下さり、漸くすべてが揃い、『冬雷2017 作品年鑑 + 自選合同歌集26首』の最後の校正を来週空けに予定しています。
やっとゴールが見えました。
皆様にも、多岐にわたり御助力賜り、またまた御礼です。

八月号用の選歌が終り、昨日テキスト打ちに出しました。
それが戻るのは早くて月末なので、しばらく小休止です。

今朝は早く目覚めて、この記事を書いています。

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by t-ooyama | 2018-06-21 07:52 | Comments(1)

今日は

もう七月号がアップされていて広報の仕事は速い。でも実際の出来はたぶんこの土曜日だと踏んでいる。
今現在は八月号用の投稿歌の選、希望者への添削等を頑張っている。できるだけ溜めたくないので深夜まで続けたり、ごろ寝して、また始めたりで、
体に悪いかもしれない。気分転換に、寄贈を受けた歌集を、こちらも溜めないように読んで御礼を書く。発行所を受けていなかった現役時代は、この寄贈歌集類への御礼が出したり出さなかったりで不義理がちだった。今は違う。ほぼすべてに必ず御礼を出す。気分転換にならないかも?
やはり個人と、発行責任者の違い。自分の行いが、小誌としての評判に繋がるので、不名誉な評判だけは避けたい。
そんなところである。

六月号は何故か大人気で、すでに手元に無くなった。
いろいろ特別な記事も多かった為だろう。
お陰さまで、その記事をごらんになった(のであろう)方からの入会が相次いでいる。
有難い事である。記事を書いたり、書く為に助けて下さった皆様に御礼申したい。
八月号の作品三欄は大幅な増頁は必至。また、その作品レベルもかなり上がって来る。
同時に何か迸る若さのパワーのようなものも感じられる。
生き生き作歌される方が多いからであろう。
楽しみだし、楽しい。
小誌の未来は明るい。

別枠進行中の『年鑑+合同歌集』の方もゴールが近づいて来た。
表紙のデザインも決まり、用紙等の細部も決まって来た。
現在印刷所との交渉に入った。
表紙は 表 カラー印刷  裏 一色墨刷り となる。
本文は ちょうど 400頁
表紙にはPP艶だし加工もする予定。

良いものが出来そうだ。
お楽しみに。

小生はこれから二泊三日の留守となる。
心配なのは、留守中の郵便物の量の事。
投稿歌は締切りが過ぎたので、もうないだろうが、外部からの寄贈雑誌、歌集類、などが多い。
小生の住む古マンションはどんどんお金をかけて、いろいろな修理や交換をしている。
今回は郵便受けが新しくなった。
資産価値がどうこうのレベルの交換じゃないが、新しくなってスッキリなのは良いが、
そのサイズがやけに薄っぺらで小さくになった。
普通の家庭ならこれで十分なんだろうが、小生のように毎日どさっと物が入れられる部屋の住人には、困った事である。
二日も留守にしたら、溢れてしまうかもしれない。
そんなときはどうなるのか?
わざわざ階段を上がって、部屋のドアの郵便受けまで持って来てくれるのだろうか、心配である。
まあ、今回留守をして、戻って来た時に判明するわけだから、気にする事も無いか。

という「今日は」でした。

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by t-ooyama | 2018-06-17 14:52 | Comments(0)

頑張ってます

いま現在、事務局を中心として七月号の校正が行われています。
もうすこししたら連絡が入り、その赤字訂正箇所が分かります。そうしたら、その対応に即時動き、目標としては、週明けには印刷所へ渡します。
出来目標は23日あたりです。
平行して進行中の「冬雷2017 作品年鑑」の方も、校正担当が頑張ってくれて二度目の本文訂正を終えました。
「冬雷2017 作品展望」という記事が揃うのが15日です。それが編輯されてから最後の校正作業をします。
予定では22日か、25日です。
本文400頁という分厚い本なので、校正も大変ですが、主に作品に付けられたルビが正しくなっているかの確認に手間取っています。
できるだけ資料に正確にをモットーとするので、しっかり見てもらっています。
でも、万が一見落としがあってもやむを得ないかもしれません。それほど困難な作業なのです。
事務局も、広報も眼を皿にして血走りながら頑張ってくれました。有難うございます。
こちらも七月中には印刷に回さないと時間がありません。

かような忙しさです。
現状は八月号用の作品がぼちぼち到着していますが、溜めないように返信しています。
昨日は一日中かけて寄贈を受けた歌集類の御礼を書きました。
いつものように、すべて眼を通します。
あまり時間はかけられませんが、幾首かあげてコメントを入れます。
今朝その礼状をプリントしてすべてに署名し、投函しました。
今回はこういう歌集類でした。
良い本が沢山ありましたよ。


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by t-ooyama | 2018-06-08 12:37 | Comments(0)