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月例歌会再開の御礼

昨日は三年間中止していた月例歌会の再開の日でした。
午後一時から四時半までを当てておりましたが、出席者の作品の相互評が終わって、少し早めながらお開きとなりました。
この三年間で、歌会参加の常連であった関口正道さん、野村昭一郎さん、高田光さんという実力者が逝去され、天野克彦さんは大阪へ転居されたりで、すっかり寂しくなり、
予想していた通り、とても少人数の歌会となりました。
でも、今年百一歳という最高齢の山﨑英子さんが、お一人で電車を乗り継いで参加されたり、初参加の新入会員の首藤文江さんもあり、充実の内容でした。
みなさま、有り難うございます。
無事に再開となり、順調に進行し、また来月にお会いしましょうと別れました。
批評の中で、心に残った作品を下にあげます。

われよりも夫と長き鍋に炊くおでんの時はいつもこの鍋     鈴木計子

われよりも夫と長き鍋に炊く大根こんにやく多きおでんを    同


健康と自由気ままな生活に手を合わせたり朝の食卓       首藤文江

鍋料理は手抜き料理と言うけれど作ってみせる我が家の味で   同


鍋料理を歌ったお二人の作品、個性的ですね。


広げたる枝にたつぷり日のあたる冬は欅の休息のとき      小林芳枝

植ゑられて四十四年吾の知る四十二年欅をあふぐ        同


お住いのマンションの植栽を暖かく見つめ、過ぎた歳月を振り返る気持が出ています。


人の手を借りる事なくいまあるを幸を思はむ除夜の鐘きく   山﨑英子

朝々を「いつてらつしやい気をつけて」娘を送る私の仕事   同


百歳を超えてなお揺るぎない張りと自信に溢れた作品群。結句が良いですね。


園のバスに子を置き去りにせぬやうに監視システム備へよといふ  稲田正康

母親に虐待されて亡くなりし女の子あり真といふなり      同


この日常の中で繰り返される様々な悲しい出来事。過剰に心情を述べるではないが、読者に考えさせる歌ですね。


歩数計六千歩を少し越したれば残る用事はバスに乗り行く    桜井美保子


作者の考え方がはっきり出た歌でした。


香典袋どこかと聞けばアリマセン即座に応へるコンビニの人   嶋田正之


コンビニに祝儀・不祝儀袋がないのは変だなと思いましたが、コンビニの人が外国人で、「香典袋」の意味を理解していなかったようです。

これもまさに今を歌っていますね。


他にも活発に意見が出ましたが、省略します。


また、事務局よりの情報があり、本年の冬雷大会は十月に開催される予定です。

いつものホテルとの連絡が取れて、第四日曜日に決まりました。

十月二十二日。


今からご予定に入れてくださるようお願いします。

七月号誌上にてご案内をさせて頂きます。


以上。










# by t-ooyama | 2023-03-13 11:06 | Comments(0)

作品年鑑二〇二二

おかげ様で、作品年鑑二〇二二・自選合同歌集は、目標の100名参加を達成いたしました。
有難うございます。
前倒しで進行しており、参加申し込み締切日前から、参加者の自選作品を受け取っています。
特別の箱に入れておりますが、すでに50名程度の方の分が届いています。
本日四月号の最終チェックをして、明日あたり印刷所へ「校了」となりますが、
その後に、揃っている方から順に作品年鑑の原稿作りに取り掛かります。

編集室の仕事は、
1 毎月、下版になった号の作品を、作者別に別に整理して会員それぞれの「年間作品集」を作るための作業をします。
  これは一生懸命頑張ってほぼ三時間かかる作業です。月々の下版データから作者別作品欄別に「コピー」+「貼り付け」でまとめます。
2 毎年、作品年鑑に参加する希望者宛に送る自選用資料を、作者別にプリントしてホチキスで綴じ、事務局へ渡します。
3 参加者の自選作品を記したプリントが戻ったら、それを原稿化します。
  この場合は、データから、自選された作品四十五首を、印のついた順に「切り抜き」+「貼り付け」で原稿データを作ります。
4 参加者全員のデータが揃ったら、印刷用のデータ制作に取り掛かります。

という流れになります。いま「3」のところです。
この下版データの印刷所渡しは、六月末を予定しています。

順調に進捗するよう、頑張ります。
ご協力をお願いします。

# by t-ooyama | 2023-03-04 17:20 | Comments(0)

新アララギ1月号の「歌壇座標」に御礼

「新アララギ」は、「アララギ」終刊後に生まれたアララギ系最大の結社誌である。
現在代表をつとめるのは雁部貞夫氏。
小誌にて連載中の「土屋文明の選評」の萩原千也氏も創刊に参加された一人で、現在は雁部氏の次に作品の掲載される実力者となっている。
かつての「アララギ」を彷彿させる伝統濃い誌面が美しいが、その「歌壇座標」という外部歌人との交流の場で、今回は拙作が取り上げられて、駒沢信子氏、宇野一夫氏から批評を頂いた。
対象になったのは11月号掲載の女優北林谷栄を歌った一連で、その最初の歌と最後の歌があげられていた。
老女役に特色のあった北林谷栄は、歌人河原冬蔵氏の奥様であったが、わたしも友人のお供で一度そのご自宅を訪問したことがある。
その思い出などもチラリと歌った一連である。
好意溢れる批評を貰い、この場を借りて御礼申し上げる。

「新アララギ」は、小誌編集委員の橘美千代氏も所属され、活躍されている。
そういう関係も無論あるのであろうが、その「歌壇座標」では、小誌の作品がたびたび取り上げられる。
とても光栄であり有難いことだと思っている。

小誌も今年から新編集委員を迎えて何か新しいことに取り組みたいと考えている。
いま、いろいろ情報を集めているところだが、さしあたっては、この「歌壇座標」のように交流他誌の紹介を重たく行うことを目指している。
歌壇総合雑誌というものが少なかった頃は、結社雑誌そのものが深く読み込まれて交流された。雑誌は真実その結社誌のありのままを映し出しているいる資料であり、最新版の作歌最前線である筈なのだ。
歌壇で何が行われており、どういう動きがあるのか。
各結社雑誌を読めば一目瞭然。
その状態は今も変わらないと考えるが、違うのは、その月々の結社雑誌が、それほど重きを置かれて読まれていないという事実であろう。
総合雑誌が多すぎるということや、結社雑誌の部数が少ないこと、歌人が忙しすぎるということもあるのだろう。
様々思うのだが、原点に戻り、やはりホームグランドである結社雑誌の充実へ向けて、全力投球されるべきかと思った。

以上、今夜の感想です。

# by t-ooyama | 2023-01-24 22:21 | Comments(0)

2022作品年鑑 について

みなさま

一月号でお知らせしました標記のことですが、
いま事務局に連絡して聞いてみたところ、現在50名ほどの参加希望があるようです。
100名突破が継続刊行してゆく壁ですが、あと一息ですね。
手続きまだの方は急いでお願いします。
第六冊目の今回は自選作品を15首増やして45首となります。
これはお一人基本的に3ページを要して掲載を意味します。
実際にはさらに、自選を漏れた残りの作品も小さめの活字で掲載するので、
お一人プラス1ないし2ぺーじの内容です。
この企画、いよいよこれ以上ないレベルまでの完成度に達しました。
正直ここが限度だと思います。

どうぞご理解の上、運営に協力する意味でも、ご参加をお願い申し上げます。

訃報です。
会員池亀節子氏は、本月11日に入院先の病院にて逝去されました。
享年九十六歳と伺っております。
小誌には昭和60年8月入会。
短歌一筋、月々の例会出席を楽しみとして励んで来られました。
水谷慶一朗、小林芳枝、桜井美保子、松原節子、白川道子氏らと共に勉強会「ゆびの会」を起こして活動されました。
平成11年、冬雷新時代歌集叢書として歌集『わたしの小径』(ながらみ書房刊)に参加。
平成26年、冬雷短歌会文庫018として歌集『小さい旅』を刊行。
常に前向き、細部にこだわらない日常語を駆使して、新しい歌を目指して来られました。
作品も一年間欠詠なく、立派な見事な最期でありました。

心より御冥福をお祈り致します。

なお、ご遺族の方からは家族葬のような形でやりたいので、特に何かご配慮いただくことは無いようにとの事でした。
ここにご報告とさせて頂きます。

追悼号については、近いうちに考えております。

# by t-ooyama | 2023-01-14 14:23 | Comments(0)

新年おめでとうございます

みなさま

良いお正月をお迎えのこととお慶び申し上げます。
今年もどうぞよろしくお願い致します。
小誌の新表紙絵は「オクラの花」です。
嶋田画伯のお言葉では、

紙になる前のとろとろとしたる液とろろあふひを混ぜありといふ   木島 茂夫


という一首の「とろろあふひ」の花を描こうとしたが、身近に見当たらず、よく似ているオクラの花を描いた、とあります。
わたしも調べてみましたが、たしかに良く似た透き通るような黄の花でした。
紙漉きのツナギに、そのトロトロした成分が混ぜられたのだそうです。
奥行きの深い歴史を感じさせる話ですね。
嶋田画伯の古里は、日本三大和紙生産地の細川紙をもってよく知られているところ。

この美しく、歴史の重みもたたえた新表紙絵と共に、一年間走り続けたいと思います。
どうぞよろしくお願い致します。


# by t-ooyama | 2023-01-02 15:49 | Comments(0)