月例歌会再開の御礼
われよりも夫と長き鍋に炊くおでんの時はいつもこの鍋 鈴木計子
われよりも夫と長き鍋に炊く大根こんにやく多きおでんを 同
健康と自由気ままな生活に手を合わせたり朝の食卓 首藤文江
鍋料理は手抜き料理と言うけれど作ってみせる我が家の味で 同
鍋料理を歌ったお二人の作品、個性的ですね。
広げたる枝にたつぷり日のあたる冬は欅の休息のとき 小林芳枝
植ゑられて四十四年吾の知る四十二年欅をあふぐ 同
お住いのマンションの植栽を暖かく見つめ、過ぎた歳月を振り返る気持が出ています。
人の手を借りる事なくいまあるを幸を思はむ除夜の鐘きく 山﨑英子
朝々を「いつてらつしやい気をつけて」娘を送る私の仕事 同
百歳を超えてなお揺るぎない張りと自信に溢れた作品群。結句が良いですね。
園のバスに子を置き去りにせぬやうに監視システム備へよといふ 稲田正康
母親に虐待されて亡くなりし女の子あり真愛といふなり 同
この日常の中で繰り返される様々な悲しい出来事。過剰に心情を述べるではないが、読者に考えさせる歌ですね。
歩数計六千歩を少し越したれば残る用事はバスに乗り行く 桜井美保子
作者の考え方がはっきり出た歌でした。
香典袋どこかと聞けばアリマセン即座に応へるコンビニの人 嶋田正之
コンビニに祝儀・不祝儀袋がないのは変だなと思いましたが、コンビニの人が外国人で、「香典袋」の意味を理解していなかったようです。
これもまさに今を歌っていますね。
他にも活発に意見が出ましたが、省略します。
また、事務局よりの情報があり、本年の冬雷大会は十月に開催される予定です。
いつものホテルとの連絡が取れて、第四日曜日に決まりました。
十月二十二日。
今からご予定に入れてくださるようお願いします。
七月号誌上にてご案内をさせて頂きます。
以上。
# by t-ooyama | 2023-03-13 11:06 | Comments(0)